トゥクソム・水道博物館

トゥクソムまで水道博物館を見に行ってきました。トゥクソムは漢字で纛島と書きます。発音は漢字をそのままで読むとトクトですが、トクがトゥク(正確にはットゥッという難しい発音…)、島がハングル読みの「ソム」になり、発音がトゥクソムになりました。東大門(トンデムン)よりさらに東、城東区(ソンドング)という行政区にあります。トゥクソムというと、トゥクソム漢江公園が人気のレジャースポットして知られています。さて、今回訪れた水道博物館は、ソウルの森という市民公園の近くにあります。

 

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水道博物館は展示館・別館・本館に分かれており、今回ご紹介するのは本館です。こちらでは、ソウルの上水道100年史を知ることができます。建物の後ろは八車線の大きな道路があり、車が行きかう騒音に現代を感じます。その先には漢江が流れています。

 

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1908年9月、この場所に近代式の纛島水源地第1浄水場が設置され、上水道の供給が始まりました。高宗(コジョン)がイギリスから技術者を呼んで作らせたもので、漢江の水をここでろ過し、ポンプで送水しました。その技術者とは、ヘンリー・コルブランとハリー・ボストウイックで、この二人は電力のほうでも活躍しました(一人はアメリカからイギリスに移民、もう一人はイギリスからアメリカ人に帰化という資料がありました、複雑だ…結局何人なんでしょう?)。建物は送水ポンプ室として建てられたものですが、とても立派。

 


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花崗岩の立派な玄関ポーチ。上部のベランダみたいな部分は飾り?左側に「京城水道揚水工場」とあります。1910年の併合後に、朝鮮総督府がそのまま施設を丸ごと受けたということです。

 


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写真はこちらから。年代不詳。右側の建物にポーチが見えます。煙突があったのですね。左側にもう一つ建物が見えます。写真左に見える建物ははて、気になります。

 


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サイド

 


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中はこんな感じ。

 


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展示館から本館まで約70、80メートルの長の通路があり、通路脇に芝地が広がっています。通路入口には「京城水道上水保護区域標」という石柱が建っています。京城がしっかり残っているものってあまり見ないので驚きました。

 


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西洋風の墓地?いえ、違います。これは緩速ろ過池と呼ばれるろ過システムの上部。

 

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こういう産業遺産、とっても素敵です。ろ過池に入るための門がいくつか並んでおり、その一つが開いていて中に入ることができます。仁川にもあった記憶が…

 


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一体中はどうなっているのか。

 

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これは素敵!アーチの形好きならたまらない空間となっています。素敵な構造物!下に見えているのは細かい砂で、さらに下にはろ過するためのものが敷き詰めてあり、ここに水をためてじっくりろ過して送水するという仕組みになっています。素晴らしい産業遺産ではありませんか。1908年から1990年まで使われていました。

 


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ろ過池の左側には実際使用されていた水道管が展示してあります。昭和という年号が目に入ってきました。1934年製。最近まで使用されていた韓国製も並んでいます。

 


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すぐとなりにはこのような風景が広がっていました。トゥットアリス浄水センターといって現役の浄水場だそうです。こちらに詳細あり。見学してみたいですね。

 


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ところで城東エリアは古いものがあまりなさそう(ここでは日本関係の近代の、という意味で)という偏見がありました。今回トゥクソムで調べていたら、その近代歴史を知り驚いています。ソウルの森は競馬場だった、京城軌道という電車が東大門から往十里、トゥクソム、広壮里を結んでいた、山田農場という農場があった等々。勉強不足を痛感しています。
城東歴史文化研究会というサイトを見つけました。トゥクソムの歴史や、電車軌道跡を訪ねるなど興味深いことが行われているようです。しかし掲示板を見ると、日本がいかに悪いことをしたか(まあそうなんですけれど)という憎悪にややあふれている感じなので、日本人の私が線路あとを追いかけたい!神社跡を見たいなんて連絡したら、怒られるのではないかと勇気がいりますが、その道の専門家に教示願えたら。近いうちこのあたりも歩いてみたいなと思っています。

 

 


 
 

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