朝鮮ホテルの薔薇園

さて、前回は旧ベルギー領事館のお話をしましたが、今回は朝鮮ホテル、市庁エリア・小公洞(ソゴンドン)にある現・ウェスティン朝鮮との関連について知ったかぶりを…あ、トップ画像は「半島の春」(Youtube始まるので注意)という映画の一シーンをキャプチャーしたものです。男女がデートで車で門を入って、ホテル内のモダン食堂でごはんを楽しむみたいなシーンです。

さて、下の絵葉書は、アンティークはがきを販売しているこちらのサイトから。
京城朝鮮ホテル薔薇園(戦前年)とあります。ベルギー領事館が事情により忠武路(チュンムロ)へと移転して、建物は横浜生命保険会社の社屋になったと申し上げましたが、その際領事館の庭に植えられていたバラが、朝鮮ホテルの庭に植えかえられて薔薇園として公開されていたのでした。

 

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朝鮮ホテルは、朝鮮総督府庁舎や日本では神戸の風見鶏の家の設計で知られるドイツの建築家ゲオルグ・デ・ラランデの設計で1914年に建てられました。施工は清水組のようですね。写真はこちらのサイトから。このサイトすばらしいです。ずっとずっと眺めていたい(笑)左横に見える建物はどこだろう…

 

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客室は80、住所は長谷川町87番地、支配人酒井順一などと1927年の資料にあります。朝鮮総督府鉄道局の直営で、中国にもあった(大連の大和ホテルなど)のいわゆる鉄道ホテルと同じ目的で建てられたホテルです。で、大変素敵なホテルではありますが、いかんせん、建てられた場所がちょっと。

 

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現在ウェスティン朝鮮で、こんな門を目にしたことがあると思います。さきほどお話した絵葉書にもありますね、ベルギー領事館のバラはこの門の近くに植えられ薔薇園となりました。
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ウェスティン朝鮮の敷地内に、皇穹宇(ファングンウ)という八角形の三層(二階建て)の木造建築があります。こちらは円丘壇(ウォングダン)という祭礼儀式が行われた神聖な場所の一部。朝鮮王朝最後の王様高宗(コジョン)が、清国から独立して大韓帝国をつくりますよ!と宣言をして皇帝に即位した場所です。詳細はこちらをどうぞ。

 

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円丘壇にあった圜丘壇(ファングダン)という建物、写真はこちらから(ちなみにすみません、ウォングダンとファングダンの明確な定義がよくわからず)。右部分の祭祀用建物を壊してホテルを建てました。精神抹殺です。個人的には王宮内にがんがん近代建築建てたり、博覧会会場やら動物園やらにしたり、由緒ある門などを寺の門として再利用したりというのは本当に悪趣味だったなと思います。

 

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1918年6月16日毎日申報、15日から朝鮮ホテルで薔薇園公開を伝える記事

 

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1925年6月30日 同紙
たった30銭の入場料で満開のバラに囲まれ、すばらしい香りと涼風で過ごせるのだからいいだろう…といったことが書いてあります。

 

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1925年6月13日 同紙
この新聞は薔薇園が好きだな(笑)、赤や白のバラが咲きほころんでいます!という内容。朝鮮ホテルの薔薇園は、レジャースポットとして人気があったようです。こちら新聞資料はこちらのブログを参考にしました。ありがとうございます。

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1932年「京城の面影長野末喜著より。バラ園のエピソードがこのようなかたちでちゃんと記録に残っています。
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ウェスティン朝鮮の入口にはこのようなプレートがあります。歴史は1914年からとして韓国に現存する最古のホテルとしてギネス(韓国国内オンリーのかな?)に登録されていると。1945年の解放後の歴史についてはまたお勉強するとして、現在のウェスティン朝鮮は1967年にアメリカの投資が入って建てられ、後に新世界グループが筆頭株主となって現在に至ります。現在のホテル地下1階のカフェのチーズケーキ(1ピース8,000ウォン)は個人的に好きな味なのですが、高いのでめったに買いません。

ホテルについてのエピソードはまだまだあるのですが、今回はこのへんで。今はバラは見当たりません。バラはどこへ行ってしまったのでしょう。気になります。位置的にひどいことした(にっくき)総督府がつくったホテルではありますが、うーん残っていればクラシックホテル(韓国にはクラシックホテルは残念ながらありません)として人気だったかもなあなんて、気軽に口にしてはいけないかな、やっぱり。

ウェスティン朝鮮は母と泊まった思い出のあるホテルです。そのときはホテル敷地内の円丘壇(ウォングダン)関連にはまったく目が行かなかったなあ。明洞で革ジャン買って喜んでいた頃…なつかしいですね。

 

 


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