長項・まどろみの港町

木浦を出発し、光州、潭陽、群山を通りソウルへと向かう旅の途中、忠清南道(チュンチョンナムド)舒川(ソチョン)にある長項(チャンハン)港に立ち寄ることにしました。

 

 

長項は1920年代から日本向けの穀物輸出のための港として発展、1931年には鉄道の長項線が開通し、1936年精錬所が稼動、産業都市として栄えたところです。精錬所跡は以前日帰り旅行で遠くから眺めたことがあります。

 

 

長項港には多くの米穀倉庫がたてられました。全羅道の米を日本に運ぶためです。現在、日本統治時代の倉庫の外観をとどめている倉庫はほぼないといっていいかもしれません。老朽化した倉庫は撤去されるか、もしくは外壁を補強した建物が残っているかです。

 

 

 

 

舒川旧長項米穀倉庫は、日本統治時代の収奪の歴史を伝える建物として2014年7月に登録文化財第591号に指定されました。現在は簡単ながらリノベーションをし、地域住民のための文化施設として利用されています。コンクリートの柱が立派ですね。

倉庫の前にはこのような営業してるかどうかわからない食堂や、古い家が並んでいます。

少し歩いてみました。港周辺はかなり寂れていて、こんな風に撤去待ちの建物があちこちにありました。

人もモノも多く集まっては散っていった港、そして町。あ、もちろん今もまだ使われている倉庫も結構ありました。

 

遠くに長項貨物駅が見えます。ここは2007年12月、長項線と群山線がつながったことにより長項駅が移転したため、貨物駅となりました。

 

駅周辺にぽつぽつと店があるものの、ここがかつて栄えていたなんて想像もできません。訪れたのは午後4時すぎ、埃っぽい空の日。人通りもほとんどなく、すべてが眠っているかのようです。

30分くらいの長項の散策を終え車に乗りました。同じような建物が並ぶ路地が車窓からふと見えました。黄色と灰色のスモッグがかった空の中に霞んで見える工場地帯。二本の煙突。なんていい風景なんでしょう。少なくとも私にはそう感じられるのです。

 

 

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