以前は2月、雪の残る寒いときにやってきた山谷洞(サンゴットン)。バラやカラシ菜の花がきれいに咲く5月、街はまた違った表情を見せてくれました。日本統治時代に白馬町と呼ばれていたこのあたりは、今でもペンマジャン(白馬町)という通称が使われています。
看板にはニュー白馬スーパーとあります。店はやっていないようでした。
山谷洞の集団住宅の地図です。中央の赤い線がさびれた在来市場、犬の足跡マークあたりに旧白馬劇場があります。もし行かれる場合は、地下鉄1号線白雲(ペグン)駅から、緑のバス567番で山谷洞入口(ロッテマート)などを利用されるとよいでしょう。
桐の花って日本であまり見かけることがなかったのですが、日本でも韓国でも娘が生まれると庭に桐の木を植え、嫁入り道具としてその木で桐の箪笥を作る風習があると知り驚きました。その風習はどこから来たものでしょう。
お店の前で昼酒を楽しむお年寄り、家と家の路地に座って休むハルモニたち。
おしゃべりの声、どこからともなく聞こえてくるテレビの音、植物に水遣りをする人、煮干しスープの匂い、餅の匂い。
写真のバラは大きめですが韓国は中輪咲きのバラが家の軒を彩っていることが多く、スプレーバラや大輪咲きはあまりみかけません。赤とピンクが多く、他の色はあまり見たことがないかも。あの赤いバラ、なんていう名前なんだろう。
こういう家を見ると、なんだか東京・東向島の商店街を散歩したことを思い出します。かつてマンハッタン通りと呼ばれた通りには商店が並びます。
古い古い在来市場の中にいきなり現れる立派な建物、旧白馬劇場。現在はスーパーになっていますが、営業している気配がありません。
さて、こちらはおまけ。山谷洞からだいぶ歩いてGM工場の近く。国民住宅とかいてあります。ここで足が止まったのは、最近見た映画「高齢化家族」に出てくる家に似ていたから。パク・ヘイルのダメ男ぶりやユン・ヨジョンの抑制のきいた演技などもよかったですが、舞台となる家も印象的でした。
あの家は国民住宅だったのかしら、気になります。
富平・春の山谷洞
