済州島・ダークツアーに参加する・その1

去年7月に参加した済州島ダークツアーのことを書こう書こうと思っていたら、今年ももう6月、月日が経つのは早いものです。済州島世界自然遺産センター(済州島の世界自然遺産の管理と保護を行う機関)が2017年9月20日から12月27日まで毎週1回「済州ダークツアー」を行いました。日本統治時代から4・3事件までの歴史現場を巡りながら平和と人権保護について考えるというツアー内容で、島西部と東部の二つのコースがあります。美しい自然とおいしいご飯を求めて済州島を訪れる機会は多いと思いますが、済州島のあまり表に出ることのない別の顔を知りたいという方にはおすすめしたいツアーです。2018年度も行われる予定です。ご興味のある方はこちらのページ(韓国語)をご確認ください(お知らせはまだ出ていません、2018年6月現在)。

※以下すべて2017年度の内容となります。

 

ツアー内容評価のために参加する機会をいただき、西部コースをこの日は回りました。ダークツアーは戦争跡地、大量虐殺があった場所や災害被災跡地などを観光することで、ダークツーリズムという言葉も聞いたことがあるかもしれません。

今回の西部コースは、

高麗時代三別抄(サンビョルチョ)対蒙抗争跡→松岳山陣地洞窟→昼食→セダルオルム洞窟陣地、高射砲陣地→アルトゥル飛行場跡→ソサルオルム4・3事件虐殺現場→海兵3・4期生訓練所(旧日本海軍駐屯地)

 

済州総合運動場で待ち合わせ後40人乗りのバスに乗り込みました。7月初旬でしたが本当に暑くて外に出るたびに汗だく。しかもむっとした草いきれの中を歩いたり、ほこりだらけの洞窟にヘルメットをかぶって入ったりとすっかり体力を使い果たしました。

 


 

◾️高麗時代三別抄 缸坡頭里(ハンパドゥリ)抗蒙遺蹟
13世紀から始まった蒙古(元)の支配に対する高麗の抵抗は、1273年耽羅国(済州島)にて三別抄の壊滅により終わりを告げます。馬の献上と焼肉を食べる習慣が蒙古から伝わったくらいの認識しかなかったものですから、三別抄(高麗王朝の軍事組織)のことはここに来て初めて知りました。

 


 

遺跡地内にある展示館には大きな絵が展示してあり、三別抄の乱について学べるようになっています。 缸坡頭里土城の発掘・復元も進んでいるようでした。

 


 

◾️松岳山(ソンアクサン)陣地洞窟
第二次世界大戦末期、日本軍が近くにあるアルトゥル飛行場の警備を強めるために作ったと言われる洞窟が大小合わせて13〜15個(資料によって数がまちまちですね)あります。長いのは約1400メートルを超えるそうです。訪れた時は落石の危険があるとのことで入れませんでした(前は入れたのでしょうか?しばらく禁止だと思います)。こちらのサイト(日本語)に詳しい説明があるのでどうぞ。2006年12月に登録文化財317号に指定されました。ちなみにここから回天(人間魚雷)特攻隊が出撃するという計画はありましたが、実行されることなく終戦を迎えました。


 

 


 

山房山(サンバンサン)をのぞむ

 


 

松岳山を眺められる海岸沿いには食堂とカフェがたくさん並んでいます。昼食はムルフェをいただきました。暑かったので店に入った時ようやく生きた心地がしました(笑)

 


 

昼食後向かったのはセダルオルムです。この草の中、オルムを無言でのぼっていきました。広々とした風景に心癒されると同時に、日本軍が済州島を要塞として特攻基地や砲台、バンカーなどを次々と設置するために自然が破壊され、人々も動員されたのだなと思うとなんとも。

 


 

登録文化財第316号、日本軍セダルオルム高射砲陣地です。5基作る予定が1基未完成のままで終戦を迎えました。

 


 

保存状態が良好です。

 


 

次は洞窟。高射砲陣地の下にあるのでオルムをおりて目指します。ヘルメットを装着して中に入りました。土ほこりがひどくて(マスク持ってませんでした)ハンカチで口を抑えながら入りました。夜に来たらかなり怖いですね。ヘルメットの明かりがなければもちろん真っ暗です。

 


済州島にはオルムを掘って作った洞窟がたくさんあるそうです。オルムを歩いていると日本軍による軍事施設関係の案内板をたくさん見かけます。ここはそんなに観光地化したところではありませんでした。崩壊の危険があるので2010年に補強工事が行われています。登録文化財第310号、1943年頃につくられた洞窟形態の軍事陣地で、未完成のものと考えられています。

 


 

 


※防衛省防衛研究所のサイトよりキャプチャー(本土作戦記録第5巻第17方面軍附図より)

 

日本軍が進めようとした決7号作戦とは。続きます。

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