永同・鉱業所変電所社宅

忠清北道(チュンチョンプット)の永同(ヨンドン)はぶどうと柿の名産地として知られています。毎年秋にはぶどう祭りも開かれ、数年前に祭りに行ったことがあります。それ以来訪れたので永同はとても久しぶり。
今回訪れたのは社宅です。このあたりの地域には鉱山が多く集まり、最近まで稼働しているところが多かったそうです。そのことを今回の記事を書くにあたって調べて初めて知りました。
山深いところをひたすら車を走らせます。

いやあ、もうびっくりですよ。よくぞこんなところにこんな形で残っているものだなあと。今は空き家のようで貧乏草、もといヒメジオンが生い茂っています。もう長いこと人の行き来がないのでしょう。
資料によれば、旧永同鉱所(鉱業所)変電所社宅で1930年ごろに建てられたものと推定。
鉱山の電力を供給するための変電所があり、その社員のための住宅です。
最近までもう一棟あったそうです。

木造平屋で2世帯でそれぞれ玄関口が見えます。台所、トイレ、浴室がそれぞれ二つ部屋があるという構造です。

個人的に大好きなタイプの木造平屋、通気口が二つありますね。

であの貧乏草もといヒメジオン(しつこいですが)をかきかわけてかきわけて近寄ってみることにしました。虫よけスプレーをして、虫刺されの薬ももっていざ。やはりやぶ蚊が多かったです。玄関ドアの枠などは後につけかえたようです。1973年の新聞が屋内にあったそうですがから、それまでは確実に人が住んでいたのでしょう。

はい、近づいたのはここまでです。なぜって?スズメバチがいたからです!中に巣があるみたいですね。危険を冒してまで廃墟を撮る気はありません。とても残念ですがここまでにしておきました。中にも植物が入り込んで見事に自然と一体化しています。
冬にでもまた来る機会があればまた来ましょうか。

この風景を見て思い出したのがこの映画です。五社英雄監督の「薄化粧(1985年)」です。粗野で変に色気のある男を演じさせたら右に出るものはいない(?!)緒形拳主演、なかなかセクシーな松本伊代や浅野温子を見ることができると一部では人気のある(笑)作品ですが、愛媛県の別子銅山の社宅で実際に起きた事件を描いた小説を映画化したものです。
実際に事件の起きた別子銅山で撮影されました。新田社宅が出てきます。

いきなりのラストシーンのキャプチャーでおそれいります。この映画のラスト、社宅がこんな感じにすっかり廃墟になっているシーンがとても印象的で、炭鉱社宅好きとしては忘れらないものでした。この変電所社宅を訪れた時にこのラストシーンが重なりました。

この住宅からさらに山への向かう道があります。昔は金鉱山があったそうです。地図で確認すると井山(チョンサン、標高約500メートルの山)の近くですが、昔の新聞やらで探しましたがなんという鉱山かはわかりませんでした(ただし、昔の地図には井山の近くに“矢項里金鉱”と表記されています。この矢項里で調べましたが、うーむ)。変電所に関しても資料がなかなか。

永同で最も規模の大きかった鉱山のひとつである三黄鶴鉱山では金鉱石を洗浄するためにたくさんの水車がまわり、その様子は壮観だったといいます。2013年の記事の写真ではまた別の社宅を確認することができます。
永洞の鉱山について、ちょっと調べてみようかなと思いました。ただ、この社宅も次来た時にはなくなっているかもしれないなあ。

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