南原・下井洞旧南原金融組合事務所

全羅北道(チョルラプット)の南東に位置する南原(ナムォン)。妓生の娘春香チュニャン)と両班(ヤンバン)の子息夢龍(モンニョン)の身分を越えた愛の物語『春香伝(チュニャンジョン)』の舞台としてゆかりの地を訪れる観光客が多く、またパンソリ(朝鮮の伝統的民俗芸能)の故郷としても知られています。
有名な観光地を数度訪れましたが、南原を近現代という時代から眺めるのは今回が初めて。視点を変えといろいろなものが見えてくるのだなと改めて思いました。
1940年代に建てられたという金融組合の建物をリノベーションしたカフェ、旧南原駅、給水塔、鉄道官舎や合宿所などの建物を見て回りました。

カフェ「下井洞コーヒー」は、南原市の商店街、銀行、公共機関などが集まる南原市のある意味中心とも言える下井洞(ハジョンドン)にあります。といっても、ここ最近は別の町にマンションが多くあつまって人口の移動が激しく、このあたりは急激にさびれていっているという印象。
ただ、旧市街地として、南原の近現代を感じる町ならではの特徴、つまりリノベカフェや工房、ギャラリーなどが古い建物に次々と入っているようで、雰囲気はよいです。「下井洞コーヒー」もそのひとつ。数年前からは旧市街地の歴史に関心を持ち、若い人たちを中心に様々なプロジェクトも行われているようです。
下井洞という地名は、1914年の行政区域統廃合の時、萬德面(マンドンミョン)下巷里(ハハンニ)と古井里(コジョンニ)を合わせて下井里(ハジョンニ)となったのが由来です。

やりすぎないリノベーション具合に好感を持ちました。以前この建物には韓医院が入っていたそうです。正面のイブキは日本統治時代の建物とセットという印象がありますね(あくまでも個人的な印象です)。手入れが行き届いた木ですね。

接客もこれまたちょうどいい距離感で、気にすることなく写真撮影をすることができました。

温かいカフェオレ、そしてバスクチーズケーキがとてもおいしそうだったので注文しました。

広々とした空間にゆったりとした感覚で配置されたテーブル席。みなバラバラですがオーナーさんのセンスがよいのでしょうね、置いてある植物の配置にも気持ちのいい調和とリズムを感じます。

段差があって個室になっています。そう、ここは金庫がおいてあったところですね。せっかくなので金庫の部屋でいただくことにしました。

大きなソーサーにたっぷりとカフェラテです。バスクチーズケーキはすっきりとした甘さでパクパクと食べてしまいました。コーヒーは普通(?)でした。

こういう色の壁すきなんですよねえ。あまりきれいにしすぎていないのもいいです。後ろの部分は増築されていますね。羅州(ナジュ)の錦南(クンナム)金融組合はカラフルで、後ろに回るとコムタンの店とつながっていました。そんなことを思い出します。建物自体は医院でしたね。いろいろな町で金融組合の建物や舎宅を見てきましたが、それらをまとめるのも楽しそう。

カフェの近くには南原府石墩(ナムォンソクトン)があります。南原郵便局(この郵便局のある位置に統治時代から郵便局があったのでしょうかね、気になります)内にあります。郵便局を建て替えるときにオリジナルは壊されてしまい、現在あるのは復元されたものです。案内板の説明によれば石墩とは石を積み上げて造った壇状の堂山(タンサン、儀式を行うところ)で、南原(邑)城の守護神を祀るための造られたそうです。南原文化院が毎年南原の平穏と発展を祈って儀式が行われています。

おすすめ記事