江華島・朝陽紡織工場跡

1934年に建てられた朝陽紡織工場は、江華島江華邑新門里587(ヒャンナムキル5番キル12番地)にあります。現在は鉄製材を扱う古物商が入っており、入口右側の小屋とトイレだけを借りていて、他の建物についてはよく知らないと関係者は言います。広い敷地内には鉄のスクラップや資材が無造作に置いてあり、犬、カモ、うさぎがいてにぎやか。韓国に現存する最も古い紡織工場跡として、仁川市が2009年4月に文化財指定候補としましたが放置の状態です。

 



 

 



 

中にはうさちゃんが2羽ずつ入っていました。奥にはカモ。とりあえず広いから飼ってみたという雰囲気。

 

1930年代になると、聖公会江華聖堂近くの龍興宮(ヨンフングン)公園一帯にかつてあったシムド織物工場をはじめ、江華島に朝鮮資本による工場が次々と建てられました。朝陽紡織工場もその一つ。地元の富豪ホン・ジェムクも流れに乗って資本を投入、当時流行だった和風洋館の事務棟を作り、敷地内にいくつかの工場棟を作りました。

 

 



 

 



 

 

 

事務棟は木造2階建ての瓦葺。淡いベージュのモルタル仕上げの外壁に、和風洋館によく見られる木製の上げ下げ窓の白、両開扉の淡い水色がうまく調和し、どこか柔らかい印象。緩やかな曲線を描く玄関ポーチの庇は、水色のトタンで覆われています。元からこんな感じだったのでしょうか?気になります。玄関前のゴミをかきわけ中に入りました。

 



 

写真では白く見えますが、結構水色だった玄関扉。

 



 

コリアンライトグリーン。これは後で塗り替えたのではないかと思われます。屋内はとてもカビ臭く、息子たちはクサイを連発。

 



 

床はゆがみ、いきなり穴でも開きそうな勢い。それでも窓に張ってある切り絵の文様の美しさに、しばしうっとり。

 



 

足元が危ないので中には入りませんでしたが、光が差し込んで大変明るい雰囲気です。がらんとした事務棟。いつ倒れてもおかしくないほど老朽化して危ないので、工場棟へと移動しました。

 



 

敷地内で一番大きい工場棟は、蔦に覆われ不気味な雰囲気が漂っています。突き出た4つの屋根が特徴的。

 

 

これは夜に来たらかなりこわい。

 



 

中はこんな感じです。工場の幅は大体20メートルくらいでしょうか、コンクリートの溝がまっすぐのびています。紡織の機械がずらりと並んでいたのでしょうか。こういったところでライブやらポエトリーリーディングやら芝居なんかをやったら面白いだろうに。江華島はバスターミナル周辺にちょこちょこと店が並ぶくらいののんびりしたところなので、難しいですかね。
ちなみに江華島は、仁川市の飛地でもあるってご存知でしたか? “韓国本土とは江華大橋によって対岸の京畿道金浦市と繋がっている。このため、仁川広域市の飛地といえる”のだそうです。飛地好きはぜひ江華島へ。

 



 

朝陽紡織工場が操業を開始した2年後の1936年、ソウルの永登浦(ヨンドゥンポ)に京城紡績会社(現・京紡)の工場が建てられました。2009年、工場跡には巨大複合ショッピングモール「タイムズスクエア」がオープン。事務棟はきれいにリモデリングされて「ナムクヌル」というカフェが入っています。同じ事務棟でもこんなに扱いが違うものでしょうか。放置されるまま傷み、ゆがんだ朝陽紡織会社事務棟。もうすこしゆっくり見たかったのですが、肌寒い天気ということもあり、後ろ髪引かれる思いでその場を後にしました。

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4 Comments
  1. 階段の手すり、ガラスの切絵細工など造形が深いですね。
    当時繁栄時の作業音が聞こえてきそうです。

  2. りうめいさん、早く手をうたないと、ここつぶれちゃうよぉ~。
    是非是非保存して欲しいです。
    こうなったらペンキべたべたも仕方ない。
    とにかく残して~。

    • ありりんさま
      すばらしい産業文化遺産だと思うのですがねえ。ペンキベタベタ(笑)。
      文化財庁に一言思わず送ってしまいました、江華島の近代建築をなんとかしてほしいと。仁川市にいえば良かったのかしら?

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