九龍浦・B面その1

九龍浦(グリョンポ)は、慶尚北道(キョンサンプット)浦項(ポハン)にある小さな漁村で、浦項市外バスターミナルから約40分のところにあります。クァメギというさんまの半干しで有名ですが、最近注目を集めているのが九龍浦近代歴史通り

日本統治時代、香川県小田村(現在のさぬき市小田)漁民の集団移住によって発展した日本人村の跡を浦項市が整備したもので、観光スポットとして訪れる人が増えているそうです。詳しい内容(A面的九龍浦)は、こちらをどうぞ。

 

P4054681

 

残念といいますか、韓国の地方自治体主導の近代文化遺産保存というのはどうしても「ちょっとしたテーマパーク」になってしまう傾向にあり、きれいにしてしまうことへの批判が韓国国内でもあると同行のイェソンさん。

 

P4054631

 

新たに作られた近代歴史通りの入口。門の前にある碑は、優秀観光資源事例の受賞を記念するものです。

 

_G200051

 

きれいになる前の九龍浦日本家屋通り。水色はおそらく後から塗られたのでしょうが、古くなった木板だけでなく錆びついたブリキがとてもいい雰囲気を出していると思いませんか?この感じをそのまま出してくれてたらよかったのになあ。
こちらのブログに以前の様子が(以下、修繕前の写真はすべてこちらから拝借しております)。

 

 

P4054696

 

ほとんどすべての家がこのように、茶色と白のおうちになっています。統一感があっていいといえばいいのですが。
仁川(インチョン)の日本人街もこんな感じですね。で、実際そうだったのですかね?気になります。通りの電柱につけられたスピーカーからはFMが流れていました。FMなんて~とブツブツいってると、イェソンさんがクラシック専門チャンネルだしいいんじゃないの、と。
P1030266
季節外れの鯉のぼりもノボリも京都町屋風なのも気に入らないと思う自分は、ここに一体何を求めているのでしょう。古き良き懐かしい日本?しかしここは外国、しかも支配を受けたブツブツ…考えるとキリがありません。それよりも外国人がイメージする日本を面白がったほうが気分は晴れるというもの。

 

P4054633

 

以前の様子を知っているイェソンさんは、この神社の階段を見てびっくり。うわー真ん中に花が並んでる…
元神社の階段に花を置くというゆるさがちょっと…と苦笑い。

 

gu02

 

こちらは以前の様子。今回の訪問時に、周辺の木に葉がなかったのですっきりきれいに見えたかもしれませんね。

 

P4054679

 

それにしても階段の石柱をよく残したなあと思います。というよりリサイクル、ですかね。現在は韓国人の名前が刻まれています。

 
P1030307 P1030306
石柱の表は檀紀4293年、西暦でいうと1961年。神社を忠魂閣という朝鮮戦争の犠牲者を慰霊するための場所に作り直した年です。その裏は昭和19年なので1944年。1944年というと終戦の一年前ですね。韓国で日本の年号を見つけるとどきっとします。ちなみに群山(グンサン)にある、韓国で唯一残る日本式お寺の入口にある碑は、昭和と刻まれた部分がえぐられています。

 

P1030308

ところで石柱の裏がセメントで塗られているのがおわかりでしょうか。石柱は日本から持ってきた花崗岩で、九龍浦神社の寄進者や地元の店の人たちの名前が刻まれていました。不思議なことに、たった一つだけ(昭和19年石柱はカウントせず)日本人名がそのまま残っている石柱があります。十河彌三郎と刻まれています。

 

P4054682

 

階段を上って右側に位置する碑、こちらもセメントで名前が消されています。こちらは、十河彌三郎の功績をたたえる功徳碑で日本から運ばれたものです。岡山県出身の十河彌三郎は1902年に渡鮮して1908年に九龍浦に移住、土木業を営みながら九龍浦と浦項間のインフラを整え、また港湾整備に力を入れ土地の有力者となった人物です。

 

P4054688

 

忠魂閣、でも目の前には…

 

P4054687

 

狛犬が。不動明王像もあったらしいけれどあんまり気にしてなかった!

静かな青い海、足元でじゃれる犬、春の柔らかい陽射し、そして桜。旧九龍浦神社からの眺めがあまりにも素晴らしく、イェソンさんが釜山の自宅から持ってきてくれたフルーツをパクパク食べながらまったりすごしてしまいました。それは一つのピクニックでした。

7 Comments
    • >うえちさん
      浦項に行かれるのですね!時間があればぜひ!ゆったりとした時間の流れる漁村の雰囲気がたまりません。

  1. 予定が狂わなければ、再来週末行ってきます。
    とりあえず200番のバスに乗れば連れて行ってくれそうですね。

    メインは日曜日のサッカー観戦なのですが、行くとしたらその前ですね。

  2. ご無沙汰してすみません。
    文化遺産を綺麗にすることに対しては韓国内でも反対する方もいらっしゃるんですね。とても意外でした。
    テーマパークになるか朽ち果てるか、究極の選択。朽ち果てるよりはテーマパークの方がマシなのでしょうが、りうめいさんも私と同じように、朽ち果てる寸前の姿を追い求めているように感じます。あっていますか?
    私の今回の旅もまたたくさんの素敵な姿を発見できましたよ!

    • >ありりんさん
      体調、その後いかがでしょうか。そして韓国地方の魅力がさらに増す5月の旅お疲れ様でした!今回の旅も充実されていたようですね。
      >テーマパークになるか朽ち果てるか、究極の選択。
      本当にそうですよね、やっぱり時間が染み込んだ建物に思いをはせてしまいます。古い時代への懐かしみと憧れを求めているのでしょうね。韓国にある日本統治時代の建物だと韓国人はそれを求めてはいなくて、過去のアップム、屈辱を振り返ることで二度とそうはならないぞと未来と向き合っていますよね。なんでそうなってしまったのかと考えるきっかけであって、見方が真逆。真逆であることが悪いとかいいとか抜きにして、建物をとにかく見る、感じる。のこす、のこってもらいたいと思うのは日韓関係なくあると思うので、そこ大事にしたいなあと個人的には思っています。

  3. こんにちは。先日予定通り行ってきました。

    「歴史通り」綺麗に整備されていましたが、僕的には悪く無かったです。
    人を呼ぶには古く荒れたものをそのまま残すより、あれくらいの仕掛けがあっても良いのではないかと思います。(観光地化させるという意図の元では)
    日曜日の午前中ということもあり、元橋本家の歴史館も含めて多くの韓国人が訪れていました。

    ただ、功徳碑や忠魂閣のところは整備中で重機が入っており近づけ無かったのが残念です。
    ちなみに階段のプランターは綺麗に無くなってました。

    あと、一人で行ったので名物のテゲ(カニ)が食べられなかったのも残念。
    そのかわりフェククスを食べましたが、多くのおかずと小さなメウンタン(ちゃんとアラ入り)も付いていて、大満足です。

    このサイトのおかげで、浦項旅行が大変有意義なものになりました。
    ありがとうございました。

  4. >うえちさん
    コメントありがとうございます。そうですね、観光地的にはきれいでよいかもしれませんね!
    橋本家は訪問客が多かったのですね~、旧神社のところは整備中だったのですね。
    一人で行くと食べられるものが限られて困っちゃいますよね、フェククスがメウンタンつきとは嬉しいですね!
    拙ブログが少しでもお役に立てたならうれしいです、励みになります!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です