動く京城

韓国映画で現存する一番古い映画って?韓国の場合は、日本植民地下で製作された映画をさすので、なかなか事情は複雑です。ただこれだけは言えます、その数の少なさ!30、40年代の作品で現存しているものって数えるくらいしかないのです。1945年の解放、そして1950年からの朝鮮戦争のバタバタでいろいろあったのでしょう。このあたりの研究はまだまだ途上にあるようで、フィルムが発見されたというニュースをよく耳にします。 古い韓国の映画を観るのは眠くなるけれど好きです。なぜなら動く、演出なしの京城風景を見ることができるから。 2011年3月から清渓川文化館で「京城 1930 異邦人の瞬間キャッチ」なる、小規模ながら見ごたえのある展覧会がありました。京城時代(1910-1945)の鍾路(チョンノ)と本町(今の明洞)の通りの詳細な地図やちょっとした復元、当時のはがきや小物などの展示、そして清水宏監督の「京城(1940年)」の上映がありました。  

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「京城(1940年)」は、京城のある一日を淡々と追ったドキュメンタリーフィルムです。2011年6月に足を運んだのですが、「京城 1939」というタイトルだったような?  

keijo02「京城」 >清水の撮った唯一の認定文化映画。都市の朝から夜までを点描する構成は1920‐30年代に世界的に流行した「都市交響楽」的なものを思わせる。噴水広場で車中から360度周回する移動撮影や、朝鮮人露天商や子どもたちへの注目に清水らしさが表れている。今後の再検証が待たれる1本。 –東京国立近代美術館フィルムセンターHPより抜粋 展示コーナーでは「京城1939」の映像がエンドレスに流れ、現在の様子を一緒に写すモニターが何ヶ所かに 設置してあって過去と現在が比較できてよかったです。 天ぷら、満開の桜、カメラ目線の妓生が気になりました。  

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同年10月には東京、12月に横浜でこの展覧会は「モダン都市京城の巡礼 鍾路・本町」という名前で巡回展が行われました。詳細はこちらでどうぞ(PDFファイルにとびます)  

20130801_233230 2012年5月、韓国で現存する一番古い無声映画(2012年5月現在)、安鍾和(アン・ジョンファ)監督の「青春の十字路(1934年)」を弁士つきで観る機会がありました。舞台には楽隊とミュージカル俳優がいて、生演奏と歌を同時に楽しめました。  

 

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写真はダウム映画より。韓国の最古のフィルムは、梁株南(ヤン・ジュナム)監督の「迷夢(1936年)」ということになっていましたが、「迷夢」よりも2年早い作品で、2007年に発見されて最古映画記録更新! もしかするといつかもっと古い作品がどこかで見つかるかもしれませんが、「青春の十字路」は、登録文化財第488号に指定されました。映画の内容などはこちらをどうぞ。ニュース中“ある映画収集家が映画館を経営していた父親から…”とありますが、鍾路三街(チョンノサムガ)に1907年に韓国で初めてできた団成社(タンソンサ)という映画館で、大変有名です。  

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この映画、田舎の兄妹が上京し、兄はソウル駅舎(当時は京城駅)で荷運び(ポーターみたいな)の仕事をするため、駅のシーンがたくさん出てきます。駅のまわりに何もない!だだっぴろい。そして駅近くのガソリンスタンド、当時のガソリンスタンドってこんなんなのかあとかなり新鮮でした。旧ソウル駅舎でも上映があったみたいですね。

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お次は、「半島の春(1941年)」。1940年、劣悪な映画製作環境の中でも韓国の古典名作「春香伝」をなんとか作ろうと奮闘する映画製作関係者、新人女優との恋愛を描いた作品だそうです。こちらの作品に登場する人物らは普通に日本語・韓国語バイリンガル、右側には日本語字幕が。 一番驚いたのは鍾路警察署から女の子が出てきて鍾路を歩くシーン。  

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現在鍾路警察署は地下鉄3号線安国(アングッ)駅、仁寺洞の入口近くにありますが、京城鍾路警察署は現在の鍾路タワー(韓国で初めて朝鮮資本で建てられたデパート和信百貨店があったところ)の向かい側、第一銀行本店ビル前にありました。ちなみにもっと昔1920年代はYMCAビルに隣接するチャンアンビルらへんにあったそうですよ。

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手元にある「京城 1930 異邦人の瞬間キャッチ」の図録には細かく書いてあって、店がその順番で出てくるので驚きました。電話売買星商会  

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京城茶房、キャンデストアーと見えます。パッピンス売ってたのかな~。廣田歯科醫院(名前は違ってましたが醫院でした)、韓一商会も見えました。茶房の近くにはカフェーソウル、カフェー白馬と地図にはあります。はー気になる。鍾路の町並みを再現した富川(プチョン)のセット場は、2010年の豪雨の影響で閉鎖されてしまい、見に行けなくなってしまったのは本当残念!いつかいけるやーと軽く考えて失敗。

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ところ変わって徳寿宮のトルダムキル近く?

で、気になるのは後ろのビルヂング。現在の市庁前広場らへん?と思っていましたが、そうすると京城府の庁舎が見えるはずなので、現在のウェスティン朝鮮のところにあった朝鮮ホテルの近くというご意見が合っているかと思われます。

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 現在の明洞芸術劇場前です。相変わらず人が多いですね(笑)。1934年に明治座として建てられました。「芸道一大男、ロビンソン漂流記、李香蘭、戸田兄弟(?)」と見えます。  

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明治座の内部を映像でみたのは初めてで驚きました。今回はここまで。もう楽しくてキリがない!あ、ここもあそこも!と眠れない夜が続く管理人でした。

 

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