北村・高羲東家屋

北村(プッチョン)苑西洞(ウォンソドン)に位置する高羲東(コ・ヒドン、1886~1965年)家屋。昌徳宮(チャンドックン)に近い静かな街の一角に静かに佇んでいる韓屋(ハノク)です。韓式・日本式・洋式の折衷韓屋で、1918年に建てられました。

 

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写真はこちらのブログから。

高羲東は、韓国初の西洋画家として知られている人物です。父は李氏朝鮮末期の有名な高官である高永喆(コ・ヨンチョル)。1899年に漢城法語学校に入学、1903年までフランス語を勉強、在学中に洋画を知ります。朝鮮(韓国)で初めて渡日留学した一人で、1908(1909年?)年に東京美術学校(現・東京芸大)で西洋画を学びました。1915年に帰国、以降絵を教えながら西洋画の普及に邁進、1918年に仲間と書画協会を結成。1920年中盤以降は東洋画に転向し、伝統的な南画と呼ばれる山水画と西洋の技法をミックスしたスタイルを確立していきます。1945年解放(終戦)を迎えた年に朝鮮美術協会の会長となります。1960年代には参議院議員も務めました。と、かなり簡単にですが画家の紹介です。

 

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苑西洞の家は、高羲東が自分で設計し建てたといわれています。一見伝統的韓屋に見えますが、上から見ると「口型(韓国語ではハングルのミウムという発音記号であらわされますが、形は漢字の“くち”に類似するので「口」としました)」、家の前と中央、そして後ろに庭があるという構造になっています。これは伝統的なスタイルではなく近代的な韓屋スタイルなのだそうです。「近代京城の都市韓屋」という資料がありました、興味のある方はこちらをどうぞ

 

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このような三和土があるのもとても珍しいこと。タイルのデザインも素敵です。中には解説ボランティアの方がいて、これは日本の旅館スタイルなのだと説明しました。倭式(倭に関しても、ああ説明が難しいなあ。興味ある方は検索されてみてください)なんだよと。私が日本人とわかると、ああ、ちょっと不適切な表現だったかな失礼!と言い直していました(私はまだまだ過剰に反応する修行の足りないタイプなので、倭式は反応してしまいます。解説ボランティアさんが自ら訂正してましたが)。

 

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入るとすぐ、画家の作品や遺品等をディスプレイした部屋があります。

 

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各部屋をつなぐ渡り廊下。このように渡り廊下があるのはとても珍しいのです。幅の狭い廊下は日本様式の影響を受けています。

 

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中庭の様子。

 

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高羲東はこの家をアトリエとして、1959年まで過ごしました。屋根の先にトタンの雨どいがつけられたのもこの韓屋の特徴でしょう。その後多く建てられた近代韓屋の特徴です。韓屋に合わせた雨どいのかたちがとてもユニークです。

 

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高羲東ゆかりの生活用具などがたくさん展示されています。こちらは寝室。

 

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アトリエ

 

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家は高羲東が亡くなり、人が住まなくなると荒れ放題になりました。2002年にはある会社が買い取って新しい建物を建てようとしたのですが、価値のある建物をそのままなくしてはならないと、2003年からさまざまな団体が保存運動を展開しました。その努力が実って2003年4月、

ソウル市が12億ウォンでの買い取りを発表、最終的にはある鍾路区(チョンノグ)が買い取り、2004年9月には登録文化財第84号に指定され、保存される運びとなりました。2011年には復元工事が完了し、管理はナショナルトラスト文化遺産基金という任意団体が委託されており、また定期的に画家に関連する特別展が開かれています。

赤レンガの壁に囲まれた近代スタイルの韓屋。北村や昌徳宮を訪れる機会があればぜひ足を運んでみてください。近くにあるカフェ、Cafeサロン麻姑での休憩を個人的におすすめします。

 

 

2 Comments
  1. ガラスの韓屋しかも曲がりや。もうもう大好物な物件。ふがふがしてしまいました。
    この家を守った人達、GJ!
    ソウルだけでなく他の地区の朽ち果てつつある物件たちも是非とも救っていただきたいと思います。おすすめの紅茶カゲにも行きたいですよ。

  2. ありりんさん
    ふがふがな物件でしょう!ふふふ。
    この辺りの街の雰囲気が大好きです。
    この家を守った人たちの中にらんすきせんせがいて、それでこの画家関連のある大役任されて、この間日本にいらしたというわけです!

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